2021年05月20日メモ

 

Moment Joon

↓この記事。わかるなあ。音楽を提出しても、中身とちゃんと向かい合った上での反応が得られない感じ。

antenna-mag.com

 

アーティストもリスナーも、みんな。僕のアルバムや活動について語るときに、たぶん日本そのものについて語らないといけなくなるんです。なぜなら僕が曲で成している内容がそこだから。でもみんな臆病で、その部分には触れられないから、深い話にならない。でもそこを評価してもらえないと Moment Joon は「なんか歌詞が辛辣で面白い人」で終わっちゃう。だから無視されていると思います。

それは、 Gotch さん主催の『APPLE VINEGAR -Music Award-』の選評とかでも思いました。僕について語ることはリスクなのは分かる。だから責めたりはできないですが「みんな勇気がないんだな」と感じました。だからこれからは『Passport & Garcon』みたいなことは二度とやらない。僕が知っているヒップホップというものは日本には必要ない、というのが今回のアルバムで分かったので。だから今、自分にできる一番賢いムーブは、この絶望をいかにお金に変えられるか。その方法を見つけるだけじゃないかなと思います。  

ただ悪い言い方にもなりますが、僕だけじゃなくて、今の日本の音楽自体にそういうアーティストを生み出せる能力があるのかと、正直疑問ですし、背景とか出身に限らず人間の複雑さを描いた作品をちゃんと理解してくれるのかなとも思います。昔の日本だったとしたら、絶対にあると思いますけど。

──

それは「昔のほうが良かった」という考えですか。

Moment Joon

いや、そうは思わないです。今という時代だから、こういう作品はできたので。ただ、表現する人々の勇気とか、聴いてくれる人々の態度とかすると、ひょっとしたら30年前に僕がこういうアルバムを出した方が「もっと理解してくれる人々がいたかもな」と思うことはあります。今は、日本のヒップホップ自体が大衆音楽として機能したくないんでしょうね。

──

モーメントさんは、それこそヒップホップは大衆音楽になるべきだと思っているのですね。

Moment Joon

「なるべき」じゃなくて、ヒップホップは「大衆音楽そのもの」なんです。だって、楽器も弾かなくてもいいし、最近はビートも作らなくて、ただダウンロードして歌えばいい。それにマイク1本だけでできる。韻を踏むときも、別に歌に近い形でもいいし、ロックみたいな歌い方でもいい。さらにトレンドが定期的に破壊されるし、ずっとフレッシュ。だからヒップホップそのものが僕からすると、大衆音楽なんです。